インビザラインファースト
について
INVISALIGN FIRST
インビザラインとは、1997年にアメリカに本社があるアラインテクノロジー社で開発されたマウスピース型のカスタムメイド矯正装置です。最初、インビザラインは成人のみを対象にしたマウスピース矯正治療として誕生しました。その後、金属の装置を使わずに、マウスピースを使用して矯正するため目立ちにくい、取り外しができる、痛みが少ないという長所が高評価を呼び、各国で絶大な支持を受けるようになりました。
日本では2006年頃から導入されるようになり、現在では全世界で1000万人以上の治療実績を誇ると言われています。次第に患者様のほうから、子供の矯正治療もマウスピースで行いたいという申し出が頻発するようになり、アラインテクノロジー社ではで子供向けの矯正治療の開発に着手することになりました。その後、子供でも使用できる治療システムが同社から発表され、それがインビザラインファーストというわけです。
このシステムの画期的な点は、今までのマウスピース矯正では永久歯の歯並びになるのを待たなければならなかったのですが、小学校低学年(上の前歯が生えてくる時期)から使用することができるようになった点です。視点を変えると、治療を開始する最適な時期(小学校高学年)が限られているため、タイミングを失わずに治療を始めなければなりません。また、しっかりとマウスピースを装着することで初めて効果が得られる治療法であることを念頭に置いていただけると幸いです。
FEATURE インビザラインファーストの特徴
では、どんなお口の状態のお子様にインビザラインファーストによる矯正治療を開始すると、効果があるのでしょうか。まず、治療する対象となるお子様の条件からご説明したいと思います。簡単に言いますと、以下のタイミングでインビザラインファーストによる治療を開始できます。
- 乳歯に加えて永久歯が
生え始めてきたお子様 - 完全に永久歯のみの
お口となる前のお子様 - 年齢はおおよそ6〜10歳のお子様
この時期から始めると、多くの子供の矯正歯科治療の主目的である「骨格的な改善」が可能となります。つまり、大前提として、子供の矯正の目的が単に歯並びを良くすることだけではないことにご留意いただければと思います。受け口や出っ歯、上顎と下顎のバランスの悪さ、横顔のラインの乱れは大人になっても治療可能ではありますが、手術を要したり、大々的な治療になったりしてしまいます。
しかし、子供のうちに正すことができれば、骨が成人に比べて柔らかく、身体への負担も少なく、成長の力を利用して無理なく行うことができます。この時期に行うと、矯正治療で併発する可能性のある歯肉退縮や歯根吸収のリスクも低減できます。
「無理のない矯正治療」をより目立たず、痛みが少なく、抜歯をせずに、虫歯のリスクを低減しながら実現するものがインビザラインファーストなのです。取り外しができるので歯みがきをしっかり習慣づけられるという点からも、小児にとって理想的な矯正法だと考えております。
8
Merit
Eight
インビザラインファーストの
メリット
メリット
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01 抜歯しないで治療できる
ガタガタした歯並びは、歯の大きさが歯の埋まっている土台である骨の大きさと合っていない時に起こります。成長期の子供は、骨の成長を助けてあげることにより土台を大きくして、永久歯が生えてきた時に抜歯せずに綺麗に歯を並べられる可能性を高めることができます。これは歯の成長が終了している大人にはできない治療となります。
子供のうちにインビザラインファーストで土台を大きくしておくことで、その後の矯正治療の難易度を下げることができます。また子供のうちに矯正治療を終了できることもあります。 -
02 治療中であることが
気づかれにくい矯正歯科治療を行うと、どうしても装置が目立つため、他人が気づくことがあります。インビザラインファーストは目立ちにくいため、周囲から気付かれません。
ただし、お子様向けの装置は口の裏側に装置をつけるものや、取り外しできる装置も多いので、そこまで変わらない場合もあります。審美性を考えて裏側矯正とマウスピース矯正で迷われる方も多いです。 -
03 違和感が少ない
お子様の装置だけではありませんが、歯の裏側につける装置や取り外しのできる装置は大きくて違和感があります。もちろん、インビザラインファーストも多少の違和感はありますが、従来の装置よりは小さいため、さほど気になりません。また器具が尖っていないので口内炎や傷が出来にくいです。
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04 スポーツや楽器演奏に
支障がないワイヤー装置を使用した矯正治療はスポーツや管楽器を演奏するときに邪魔になる、口の中を傷つけるなどのデメリットがありました。しかし、薄くて柔らかいマウスピースを使うインビザラインの矯正は装着したままスポーツや楽器演奏を楽しむことができます。
また、矯正用のマウスピースを外してスポーツ用のマウスピースに変えてスポーツをするなど、お子さまに合わせて治療が進められます。管楽器を演奏するお子様も装着したままで演奏でき、大事な発表の際には外すことも可能です。 -
05 虫歯や歯周病になりにくい
取り外しができるマウスピースを使うインビザラインでは、普段どおり歯磨きをすることができます。また、丸洗いできるマウスピースですので衛生的です。虫歯や歯周病になりやすい人はインビザラインが向いています。
ワイヤー矯正では器具に食べカスがつまったり、歯垢(プラーク)が溜まったりと不衛生になりがちでしたがインビザラインではそのデメリットが解決されました。こまめに歯を磨く習慣がつくため、以前よりも虫歯や歯周病のリスクが下がることでしょう。 -
06 取り外しが可能で衛生的
インビザラインの大きな特徴がマウスピースを取り外せることです。水で丸洗いできますし、通常通り歯磨きもすることが出来ます。また、短時間であれば取り外したままでいることも出来ますので、結婚式や発表会など大事なイベントの時には外して参加することが出来ます。
ワイヤー矯正は治療が終わるまで、矯正器具を外すことが出来ないので大きな魅力といえます。大事なイベントの多い方でもストレスなく矯正治療を進めることができます。 -
07 金属アレルギーの方も
治療できるワイヤー矯正では金属の矯正器具を使うため、金属アレルギーの方は治療ができないこともありました。しかしインビザラインのマウスピースはポリウレタン素材を使うので、金属を一切使用していません。
金属アレルギーの方でも安心して治療を進めていただけます。なお、念のため、金属アレルギーの方は、治療前に必ずご相談ください。 -
08 通院期間が少なくて
済むことが多い矯正治療が開始すると、おおよそ毎月1回の調整や歯の動きの確認のために、通院が必要になります。これはワイヤー矯正でも同様です。インビザラインは、治療の経過などにより、2ヶ月〜3ヶ月に一度の通院で済む場合もあります。
仕事が忙しくて毎月通院できない、留学や出張の予定があって毎月の通院の計画が立てにくいという方はワイヤー矯正よりインビザラインが向いています。
FLOW
インビザライン
ファーストの治療の流れ
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初診カウンセリング
初診では、患者様のお悩み・ご希望をじっくりとお伺いし、歯並びを中心としたお口の健康状態のチェックを行います。ご不明な点がございましたら、何でもお気軽にお尋ねください。
その後、治療内容、治療期間、治療費についてもご説明いたします。なお、虫歯・歯周病などが見つかった場合には、先にそちらの治療を行います。 -
精密検査
レントゲン検査やCT検査、口腔内写真撮影、噛み合わせチェックなどを行います。お子様の状態が正式に適応可能と判断できれば、インビザラインファーストを作製するための、3Dスキャナーによる歯型の採取を行います。
寝たままお口を開けておいていただくだけで2~3分で終了します。不快感などは一切ありません。 -
治療計画作成・ご説明
取得した情報にもとづいて、専用のシステムを使ったシミュレーションを実施します。患者様の歯並びがどのように変化していくのか、治療後の歯並びの状態について様々な角度から表現した3D画像をご参照いただきながら、治療計画を具体的にわかりやすくご説明いたします。おおまかな治療期間や守っていただく事項もご説明します。
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アライナーの作製
患者様の口腔状態、ご希望に応じて歯科医が細かな修正を加えてから、データをアメリカのアラインテクノロジー社に送り、アライナー(マウスピース)の作製に入ります。その後2週間ほどで、完成したアライナーがアメリカから歯科医院に直送されます。
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インビザラインファーストに
よる
矯正の開始いよいよ、インビザラインファーストを使用して治療を開始します。着脱の練習、使用時の注意点などを改めてご説明した上でお渡ししますので、ご安心ください。インビザラインファーストは通常、2週間ごとに次のステップのものと交換していきます。
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定期検診
インビザラインファーストを使用している矯正期間は1~3ヶ月に一度ご来院いただき、歯並びの変化の様子をチェックいたします。またその際、次のステップの新しいインビザラインファーストをお渡しします。
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治療終了
治療開始前のシミュレーションと患者様の現在の歯並びを比較し、十分な効果が得られていれば、これで治療は終了です。アライナーを追加で発注し、治療を継続することも可能です。
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保定期間
保定装置を使って、治療終了時直後の歯並びを顎の骨にしっかりと根付かせます。後戻り防止のための大切な期間です。なお、保定期間は治療にかかった期間と同じくらいの長さが必要になります。
治療期間について
インビザライン矯正が完了するまでにかかる一般的な治療期間は短くて1年半ほど、ほとんどの場合が2年〜3年ほどかかります。歯の動き方にも個人差があるために、人によって治療期間はそれぞれです。部分矯正か全体矯正か、動かしたい歯の本数やその距離幅によっても期間が大きく変わってきますが、最低でも2年ほどかかると考えておきましょう。これは、新しいマウスピースをはめたことによる動く歯の距離が0.25mmとごくわずかだからです。そのため、歯を1mm動かすのには2ヶ月かかります。もっと強い力をかければ早く歯が動いて矯正治療も早く終わるのでは?と考える方もいるかもしれません。
しかし、強い力を歯にかけてしまうと歯を支えている骨(歯槽骨)の再生と吸収のスピードが追いつかずに、歯が抜けてしまう、大幅に歯肉退縮を起こしてしまうなどのトラブルを起こしやすくなってしまいます。何より、強い痛みを感じるようになってしまうため、適切な力とスピードで安全に歯を動かす必要があるのです。インビザライン矯正では、確実に歯を並べていくためにインビザラインのマウスピース(アライナー)を装着し歯を動かしていく「矯正期間」と、その後歯並びを固定させる「保定期間」という2つのステップを踏んでいきます。つまり、大体1年から2年かけて歯を動かしていき、その後キレイに歯が並んだら1年ほど歯をリテーナーと呼ばれる保定装置で固定していきます。