矯正歯科のリスクとは?後悔しないための注意点7選
矯正歯科治療は、歯並びや噛み合わせを改善し、機能的で美しい口元を手に入れるための有効な手段です。しかし、治療には一定のリスクが伴うため、事前に十分な理解を深めておくことが大切です。矯正治療を始めたものの、思わぬトラブルや後悔をしてしまう方も少なくありません。本コラムでは、矯正歯科治療のリスクについて詳しく解説するとともに、後悔しないための7つの注意点をご紹介します。これから矯正を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
▼矯正歯科の治療に伴うリスク
歯並びや噛み合わせの問題を解決する矯正歯科治療には、以下に挙げるリスクを伴います。こうしたトラブルはすべての矯正のケースで起こるというものではなく、あくまでその可能性があることを意味するため、過剰に心配する必要もありませんが、事前に正しく理解しておくことは重要です。
-
歯根吸収のリスク
矯正治療中に歯が動くことで、歯根が短くなる「歯根吸収」が起こることがあります。特に、過度な力をかけて歯を移動させると歯根が吸収されやすくなります。歯根吸収が進行すると、歯の寿命が短くなる可能性があるため、慎重な治療計画が必要です。
-
歯肉退縮(歯茎が下がる)
矯正治療によって歯が動くことで、歯茎が下がる(歯肉退縮)ことがあります。特に、もともと歯茎が薄い方や、歯の突出が強い場合に起こりやすいです。歯肉が下がると歯が長く見えたり、知覚過敏を引き起こしたりすることがあるため注意が必要です。
-
矯正装置による虫歯・歯周病のリスク
矯正装置を装着すると、ブラケットやワイヤーの周囲に食べかすやプラークが溜まりやすくなります。これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、普段以上に丁寧な口腔ケアが求められます。
-
治療期間の延長
矯正治療の計画は個々の歯並びの状態に応じて立てられますが、予定より治療期間が長引くことがあります。歯の動きが予想より遅かったり、患者さまがゴムかけなどの指示を守らなかったりすると、予定よりも長期間装置をつけることになり、負担が増えることもあります。
-
噛み合わせの変化による違和感
矯正治療によって噛み合わせが変わると、治療完了後に違和感を覚えることがあります。特に、治療前と大きく噛み合わせが変わる場合には、慣れるまでに時間がかかることがあります。
-
リテーナー(保定装置)の装着を怠ることによる後戻り
矯正治療が完了した後は、歯の後戻りを防ぐためにリテーナーを装着する必要があります。しかし、リテーナーを正しく装着しないと歯並びが元の状態に戻ることがあり、治療の効果が半減してしまう恐れがあります。
-
矯正装置のトラブル
ワイヤーが外れたり、ブラケットが取れたりすると、口内を傷つけたり痛みが生じたりすることがあります。トラブルが発生した場合は、すぐに歯科医院に相談することが大切です。
▼矯正歯科治療で後悔しないための7つの注意点
上段で解説した矯正歯科のリスクが現実となると、治療を受けたこと自体後悔してしまうかもしれません。そうした後悔を生まないためにも、これから矯正歯科治療を受ける方は、以下の7つの点にご注意ください。
-
矯正治療の目的を明確にする
見た目の改善だけでなく、噛み合わせの改善や口腔機能の向上など、自分が矯正を受ける目的を明確にしましょう。目的を明確にすることで、治療中のモチベーションを維持しやすくなります。
-
信頼できる歯科医院を選ぶ
矯正歯科治療は長期間にわたるため、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。実績や口コミ、矯正専門の資格を持つ歯科医師が在籍しているかなどを確認しましょう。
-
治療計画をしっかり理解する
治療期間や費用、予想されるリスクについてしっかり説明を受け、納得した上で治療を始めましょう。不明点がある場合は、事前にしっかりと確認することが大切です。
-
口腔ケアを徹底する
矯正装置を装着すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、フッ素入り歯磨き粉の使用や、歯間ブラシ・フロスを活用するなど、日々の口腔ケアを徹底しましょう。
-
リテーナーをしっかり使用する
治療後の歯の後戻りを防ぐためには、リテーナーの装着が欠かせません。歯科医師の指示に従い、適切な期間・頻度で装着しましょう。
-
治療中の不安や疑問を相談する
矯正治療中に不安を感じたら、そのままにせず歯科医師に相談しましょう。装置の違和感や治療の進行状況について、定期的に確認することで安心して治療を進めることができます。何となく遠慮をして不安や疑問を相談していないと、深刻なトラブルに発展しかねないため、十分な注意が必要です。できればそうした不安や疑問を気軽に相談できる歯科医師を見つけるようにしましょう。
-
治療費用について事前に確認する
矯正治療は自由診療が基本であるため、費用が高額になることがあります。事前に費用の総額や分割払いの可否などを確認し、無理のない範囲で治療を受けられるようにしましょう。こうした矯正歯科に費用面に関しては、カウンセリングの段階で歯科医師の口からきちんと聞いておくことが大切です。
▼まとめ
今回は、矯正歯科治療に伴うリスクと注意点について解説しました。矯正歯科治療は、歯並びや噛み合わせを改善する素晴らしい治療法ですが、リスクも伴います。歯根吸収や歯肉退縮、虫歯・歯周病のリスクなどを理解し、適切な口腔ケアを行うことが大切です。また、信頼できる歯科医院を選び、治療計画を十分に理解した上で治療を進めることが、後悔しないためのポイントとなります。矯正治療を検討している方は、今回ご紹介した7つの注意点を参考にして、自分に合った治療を選びましょう。